拝啓 若鮎の踊る頃、皆様には益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
また平素は日本複写産業協同組合連合会事業ならびに近畿複写産業協同組合事業に格別のご支援・ご協力を賜り、
厚くお礼申し上げます。
さて、本年10月25日兵庫県宝塚市において開催される複写連全国大会におきまして、近畿複写産業協同組合は
神戸複写産業協同組合・京都府複写産業協同組合のご協力をいただき「複写連近畿ブロック」として
会員様・賛助会員様・従業員様・ご家族様をお迎えさせていただく大役をつとめさせていただきます。この場をお借りしまして
大会の主旨の御案内と御参加・御支援のお願いをさせていただきたく存じます。
はじまりは、青写真懇話会でした。
近畿複写産業協同組合の年史によりますと、昭和21年2月11日に「青写真懇話会」という組織ができました。
懇話会の会員は「感光紙製造業者」と「青写真業者」です。戦後半年しか経過していないまだ混迷の時すでに、
「作り手と使い手」「売り手と買い手」一緒になって青写真市場を創造していこうとの目的で、関係する人たちが集まったのです。
そして戦後復興の槌音激しいなか、私たちの先達は新技術・新商品に支えられ青写真業界から複写業界へと飛躍していき
ました。それは今の賛助会員様のご支援が多大なることは申し上げるまでもありません。しかし、その発展の過程で
気付かぬうちに作り手と使い手は目に見えない境界ができたようです。
それが昭和の時代です。
情報革命の混乱に流されることなく、乱世の中から革新を。
平成の時代は「規制緩和」「情報通信技術(IT)革命」 によって始まりました。
それによって既存市場が破壊され、一方それらを越えるような新興企業・新興市場が突如として出現したのです。もちろん
そのような混乱のなかでも不変の価値を持つ企業もあるのですが、私たちを含め大なり小なりその影響を否が応でも甘受
せざるをえなくなったのが平成の時代です。情報革命の混乱の真っ只中に私たちは立っています。
乱世の時代に既得権を排除した「楽座」。
規制が解かれ、市場が自由化され、活発になり、さらに触発されて新しい市場が誕生した「楽市」。
規制緩和・流通革命はもちろんのこと、IT革命もある側面では既存技術という既得権を強制的に排除した原因となりました。
技術革新によって様々な既存市場は衰退を余儀なくされました。しかしその空白を埋めるがごとく新市場が誕生しています。
その現象はまさしく乱世の「楽市」の観があります。楽市という場には「作り手と使い手」「売り手と買い手」の多くの人々が
集まります。
そこには無数の情報が集まり、笑顔が集まり、歓声と喧騒のなかに賑わいの場をつくり「売り手よし、買い手よし、世間よし」
の三方よしを胸に抱き近江商人は全国各地を闊歩しました。
彼らによって上方には全国から物が集まり、それを求める人が集まり、益々繁盛しました。
乱世から革新が誕生しました。
複写連宝塚全国大会は、「平成の楽市楽座」です。
いま私たちは顧客に価値を提供できなければ市場から退場しなければなりません。「世間(顧客)がよし」としなければ
企業としての価値がないということです。
さらに、顧客が抱えている課題がより複雑化したために、顧客への真の価値提供は巨大企業であっても単体では不可能
になったのではないでしょうか。 私たちの業界は、終戦の翌年の混乱の時代に発足したような青写真懇話会のなかで
議論をしながら発展してきました。いま振り返った時、懇話会の本質は「作り手と使い手」「売り手と買い手」が一緒になって、
新しい時代の市場を創造していったという事実にあります。
いまこの時代においても、顧客の高度な課題を解決するため、新しいドキュメント市場を切り拓くため、そしてこの市場を
「複写市場」を共に育ててきた賛助会員様と共有するため、目に見えない垣根を越えてそれぞれの得意領域を持ち寄り、
次世代へと視線と思線を向けて業界を発展・継承する活動を共にしなければならない時だと確信しています。
複写連宝塚全国大会は「平成の楽市楽座」です。近畿ブロックが全力を挙げて楽市楽座を実現します。
この実現には楽市楽座のごとく、 「作り手と使い手」「売り手と買い手」の多くの方々のご参加によって具現化され、
短期のイベントですが、その賑わいへの参加の記憶がこれからの私たちを取り巻く市場を大きく育て、参加された多くの方々の
成長の原動力となります。
夢が生まれ、夢が育つ ― 夢をさがしに宝塚
大会の主旨を御拝察賜り、おひとりでも多くの御参加をお願いいたします。
また賛助会員様におかれましては、大会資料への広告掲載を通じて大会の御支援を賜りますようお願い申し上げます。
末文とはなりましたが、賛助会員様におかれましては益々の御繁栄・御発展されますことを衷心よりお祈り申し上げます。 |